それ故、過去に交雑が多く作られた犬種程、犬種特有の遺伝疾患を受け継いでいる可能性が高いと言えます。
犬種特有の遺伝疾患があるので、当然ですが、ウェルシュ・コーギー・カーディガンにもよく出る遺伝疾患があります。
過去に特に注意すべき遺伝疾患として、PRA、DM、VWD と書きました。が、これ以外にも注意すべき疾患があります。

ウェルシュ・コーギー・カーディガンは「軟骨異栄養犬種」です。
※軟骨異栄養症……骨の形成不全で骨が発育されないことにより骨が短くなる病気
生まれつき軟骨異栄養症の素因(遺伝子)を持っていて、椎間板の変性を起こしやすい犬種です。
この因子をもつ犬種は他の犬種(因子をもたない犬種)よりも若い時期に椎間板ヘルニアになりやすいのが特徴です。
その中でも、コーギー・カーディガンのような胴長短足の体型は、体型自体が腰に負担がかかる為、更に注意が必要です…

その他にも
■股関節形成不全(Canine Hip Dysplasia(CHD))・・・・・・股関節の発育または成長に異常が見られる疾患。
多遺伝子性(原因遺伝子が複数ある)で、「その病気のなりやすさの程度」を親犬から引き継ぐことと、
環境(なりやすさを助長する環境的な要素(肥満等))要因も合わさり発症します。
症状は全く目に見えない軽度なものから、手術が必要な程重度なものまであります。
原因遺伝子は特定されていません。
この遺伝子はまだ解明されていない為、両親犬の「骨の形成が完成する1歳から2歳の間にレントゲン検査を受ける」事で
その素因(遺伝子)をもっている可能性が低いこと、発症する可能性がないことを確認する事が大切です。
■膝蓋骨脱臼(パテラ)(Patellar luxation)・・・・・・後足の膝関節(お皿)がはずれてしまうもの。
多遺伝子性(原因遺伝子が複数ある)で、「その病気のなりやすさの程度」を親犬から引き継ぎます。
症状は痛みと機能障害が見られない軽度なものから、手術が必要な程重度なものまでです。
原因遺伝子は特定されていません。

股関節形成不全(Canine Hip Dysplasia(CHD))、膝蓋骨脱臼(パテラ))も各遺伝子の作用により
特定することが困難で、遺伝子検査による繁殖のリスクを減らす事は今の段階ではできません。
「疾患因子(原因遺伝子)を受け継いでいる可能性のある犬
(それらが発症している犬とその一族)でブリーディングしない」
という選択交配をすることで発症リスクを減らすしかありません。
・後ろ足の歩き方や座り方の異常
・スキップをしているように歩く
・跛行する(びっこをひく)
・散歩の途中で座り込む
・歩く時に腰が左右に揺れる
・ジャンプや階段を上がるのを嫌がる…等々
そんな様子が見られる時は、それらの疾患を疑い診察を受けて下さい。
そして、その疾患である事がわかった時には是非ブリーダーに連絡をして、その家族を一族を繁殖ラインから
外すよう伝えて下さい。
この関節系遺伝疾患を排除する為には、家族に迎えたオーナーさまの力が必要です。

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